操作方法

起動

Linux・Unix・Macの場合

作成した実行可能ファイル fermisurfer にパスが通っている状態で

$ fermisurfer mgb2_vfz.frmsf

とコマンド, スペース, 入力ファイル名とタイプします. (サンプルファイルの中身はMgB2のFermi速度の \(z\) 方向成分です. )

Windowsの場合

入力ファイル(この場合は mgb2_vfz.frmsf)を右クリックし, メニューから「プログラムから開く」を選択し, 実行ファイルを fermisurfer.exe に設定してください.

次に操作方法が出力され, Fermi面が描画される(図 24 ).

_images/start.png

Figure 24: Fermisurferを起動した直後の画面.

  • マウスのドラッグによる回転が出来る.

  • マウスのホイールを使っての拡大・縮小が出来る.

  • ウィンドウの大きさを変えることもできる.

  • カーソルキー(Windowsではwasd)を使ってウィンドウ内で上下左右に図を動かせる. ダブルクリックでも移動可。

  • 右側のパネルを用いて様々な操作ができる.

次から右側のパネルでの操作をを説明する.

注釈

いくつかの操作はすぐに反映されず「Update」ボタンを押すことによって反映される. そのような操作については「要Update」と明記してある.

背景色

Background (RGB) : 背景色をRGBで指定する.

_images/background.png

線幅

Line width : ブリルアンゾーンの境界やノーダルライン等の線幅を変更する.

線色

Line color (RGB) : 線色をRGBで指定する.

_images/line_color.png

バンド毎の表示・非表示の切り替え

Band 0, RGB, Band 1, RGB ... : バンド毎の表示on/offを切り替える(図 27).

_images/band.png

Figure 27: "Band" メニューで3番目のバンドの表示/非表示を切り替える.

Brillouin zoneの形式 (要Update)

Brillouin zone : 描画範囲をFirst Brillouin Zone/Primitive Brillouin Zoneと 切り替える事が出来ます (図 28).

Fisrst Brillouin Zone

\({\rm \Gamma}\) 点から一番近いBragg面で囲まれた領域

Primitive Brillouine Zone

逆格子ベクトルを辺とする平行6面体領域

_images/brillouinzone.png

Figure 28: "Brillouin zone" メニューでBrillouin領域のとり方を変更する.

Brillouin zoneの数 (要Update)

BZ number : 各逆格子ベクトルの方向にいくつ表示するかを指定する.

_images/bz_number.png

カラーバーの表示/非表示

Color bar : カラーバーの表示/非表示を切り替えます(図 30).

_images/colorbar.png

Figure 30: "Color bar On/Off" メニューでカラーバーの表示/非表示を切り替える.

カラープロットの種類と範囲 (要Update)

Color scale mode : Fermi面の色表示のさせ方を変更します(図 31).

Input (1D) (入力ファイルのデータが1個のときのデフォルト) :

青→緑→赤の範囲でカラープロットする.

Input (2D) (入力ファイルのデータが2個のときのデフォルト) :

カラーサークル(図参照)上の色でカラープロットする.

Input (3D) (入力ファイルのデータが3個のときのデフォルト) :

フェルミ面上の矢印(細い三角形)としてプロットする. フェルミ面の色は「Band Index」の場合と同様.

Fermi Velocity (入力ファイルのデータがエネルギーだけのときのデフォルト) :

エネルギーの差分からFermi速度 \({\bf v}_{\rm F} = \nabla_k \varepsilon_k\) を計算し, その絶対値をカラープロットする.

Band Index :

物理量に関係なく, 各バンド毎に単色でFermi面を塗る.

Input (1D, Gray), Fermi Velocity (Gray)

黒色の濃淡でプロットする.

Min of Scale, Max of Scale : カラープロットの色の範囲を指定する. 「Input (3D)」の場合は Max of Scale で三角形の長さを変更できる.

3D arrow step : 「Input (3D)」の場合に矢印(三角形)を描画する頻度を指定する. 数字が大きいほど表示される矢印は少なくなる.

Arrow width : 「Input (3D)」の場合に矢印(三角形)の幅を指定する.

_images/colorscale.png

Figure 31: "Color scale mode" メニュー.

遠近法の有効化・無効化

Perspective : 遠近法の有効化・無効化を切り替える.

カラープロットの配色

Bar Color : カラープロットの配色を次の3つから選ぶことができる. "BGR":青→水→緑→黄→赤、"CMY":水→青→桃→赤→黄、"MCY":桃→青→水→緑→黄.

_images/bar_color.png

Equator (要Update)

ある \({\bf k}\) に対して, \({\bf v}_{\rm F} \cdot {\bf k} = 0\) となる線を表示, 変更する (図 33). 作った時点では作者が勘違いしていたが、dHvAで考慮される極軌道(extremul orbit)とは一致しない。 超音波吸収とは関連すると考えられる。

Equator : チェックボックスで表示・非表示を切り替える. この時「Update」を押す必要はない.

Equator-v : このテキストボックスで \({\bf k}\) を指定する. \({\bf k}\) ベクトルはフラクショナル座標で入力する. 変更を反映させるには「Update」を押す.

_images/equator.png

Figure 33: "Equator"メニューで Fermi面の極軌道(Equator)を表示する.

補間の細かさ (要Update)

Interpol ratio : 補間により図の曲面を滑らかにする (図 34). ただし分点数を増やすと描画にかかる時間も増えるので注意.

_images/interpolate.png

Figure 34: "Interpolate"メニューで 分点数を1から4に変える.

Fermi面のどちら側に光を当てるか

Lighting : 光を当てる面を変更します (図 35).

Both :

Fermi面の表裏両面に光を当てます.

Unoccupy :

非占有領域側のみに光を当てます.

Occupy :

占有領域側のみに光を当てます.

_images/light.png

Figure 35: "Lighting"メニューで光を当てるFermi面を変更する.

マウスドラッグをしたときの振る舞い

Mouse Drag : マウスの左ボタンドラッグを行った時の動作を変更します.

Rotate(デフォルト)

ドラッグをした方向に図形を回転させます.

Scale

上方にドラッグすると図形を拡大, 下方にドラッグすると図形を縮小します.

Translate

ドラッグした方向に図形を動かします.

_images/mouce.png

ノーダルライン

Nodal Line : 物理量が0となるところに引く線(ノーダルライン)のOn/Offを切り替えます(図 37).

_images/nodeline.png

Figure 37: "Nodal line" メニューでnodal lineの表示/非表示を切り替える.

ブリルアンゾーンの断面 (要Update)

Brillouin領域を任意の断面で切り取り, 2次元のFermi面(線)を描画する (図 38).

Section : チェックボックスで断面の表示・非表示を切り替える (この操作は「Update」の必要はない).

Section-v : 断面の法線の指定する. 法線ベクトルはフラクショナル座標で指定する。 変更を反映するには Update を押す。

On Gamma : このチェックボックスがオンになっているときには 断面は \(\Gamma\) 点を通る. 変更を反映するには Update を押す。

Section (RGB) : ブリルアンゾーンの切断面を示す平面の色を指定する.

_images/section.png

ブリルアンゾーン断面のファイル出力

Section file : このボタンを押すと, 上記フェルミ面およびブリルアンゾーンの断面をGnuplotやIgolなどで図示するためのファイル("fermi_line.dat"と"bz_line.dat") を出力する.

_images/section_file.png

gnuplotでは次のように使うことができる.

plot "fermi_line.dat" w l, "bz_line.dat" w l

Fermiエネルギーの変更 (要Update)

Fermi energy : Fermiエネルギー(デフォルトでは0)を任意の値にずらします. (図 40).

_images/shift.png

Figure 40: "Shift Fermi energy"メニューで Fermi エネルギーを0.0 Ryから0.1 Ryに変える.

立体視

Stereogram : 裸眼立体視用の図の表示/非表示を切り替えます(図 41).

None (デフォルト) :

立体視を無効にします.

Parallel :

平行法用の図を表示します.

Cross :

交差法用の図を表示します.

_images/stereogram.png

四面体の切り方 (要Update)

Tetraghedron : 四面体の切り方を変えます. 図が綺麗になる可能性がありますが, 多くの場合は逆に図がギザギザして汚くなるようです.

_images/tetrahedron.png

サイズ・角度・位置の数値での調整

視点を変更します(図 43).

Scale :

図形のサイズを指定します.

Position :

図形の上下位置を指定します.

Rotate :

x,y,z軸周りの回転角を指定し, Roate ボタンを押すと回転する. 回転操作はz軸-y軸-x軸の順で行われます.

_images/setview.png

Figure 43: "View point"メニューで 視点を変更する.

矢印

任意の位置に矢印(実際には細長い三角形)を表示する. 以下は全てフラクショナル座標で指定する.

Arrow (Start) : 始点

Arrow (End) : 終点

Arrow (Diff) : 上記の差. Arrow (End)Arrow (Diff) は連動する.

Arrow width : 矢印(三角形)の幅を指定する.

ワイヤーフレーム球

任意の位置に任意の大きさのワイヤーフレーム球を表示する。 HiLAPWとの関連で使用する.

Sphere center : 球の中心をデカルト座標で指定する.

Sphere radius : 球の半径を上記と同じスケールで指定する.

ネスティング関数

次の二種類のネスティング関数を計算し, FermiSurferで読み取り可能なファイルを出力する.

delta*delta : ファイル名は「doubledelta.frmsf」

\[\sum_{n n' \textbf{k}} \delta(\varepsilon_{n \textbf{k}}-\varepsilon_\textrm{F}) \delta(\varepsilon_{n' \textbf{k}+\textbf{q}}-\varepsilon_\textrm{F})\]

Lindhard : ファイル名は「lindhard.frmsf」

\[-\sum_{n n' \textbf{k}} \frac{\theta(\varepsilon_\textrm{F} - \varepsilon_{n' \textbf{k}+\textbf{q}}) -\theta(\varepsilon_\textrm{F}-\varepsilon_{n \textbf{k}})} {\varepsilon_{n' \textbf{k}+\textbf{q}} - \varepsilon_{n \textbf{k}}}\]

画像の保存方法

fermisurfer には画像をファイル出力する機能はありません. お使いのPCにあった方法でスクリーンショットを取得して (Printscreen キーを押すなど) ペイントブラシやgimpで編集して画像を作成してください.