7.5. greenr2k ユーティリティの動作について

このユーティリティーは, 次のようにして使う.

$ ${PATH}/greenr2k ${NAMELIST} ${GEOMETRY}

ここで, ${PATH}greenr2k ユーティリティのバイナリのあるディレクトリのパス, ${NAMELIST}は HPhi++/mVMC の NameList インプットファイル名, ${GEOMETRY}は サイトの位置と軌道のインデックス, k 点 ファイルへのパスである.

HPhi++ の各モード (Lanczos, TPQ, 全対角化, LOBCG)および mVMC のどの計算で得られた 相関関数のFourier変換を行うかによって, 動作が若干異なる. 以下では ModPara インプットファイルの CDataFileHead"zvo" (デフォルト値)であるとする.

7.5.1. HPhi++-TPQ

この場合に HPhi++ は, 各試行/TPQステップ毎に zvo_cisajs_run*step*.dat (1体), zvo_cisajscktalt_run*step*.dat (2体)というファイルを output/ ディレクトリに出力する. greenr2k ユーティリティーは, 各試行/TPQステップ毎に 1体および2体の相関関数を読み込みFourier変換を行った後, zvo_corr_run*step*.dat という名前のファイルとして output/ ディレクトリに出力する.

7.5.2. HPhi++-全対角化およびLOBCG

この場合に HPhi++ は, 各波動関数ごとに zvo_cisajs_eigen*.dat (1体), zvo_cisajscktalt_eigen*.dat (2体)というファイルを output/ ディレクトリに出力する. greenr2k ユーティリティーは, 各波動関数ごとに 1体および2体の相関関数を読み込みFourier変換を行った後, zvo_corr_eigen*.dat という名前のファイルとして output/ ディレクトリに出力する.

7.5.3. mVMC

この場合に vmc.out は, ModPara インプットファイルで指定された NDataIdxStart および NDataQtySmp というパラメーターに応じて 試行を行いインデックスをつけられた zvo_cisajs_???.dat (1体), zvo_cisajscktalt_???.dat (2体)というファイルを output/ ディレクトリに出力する. greenr2k ユーティリティーはそれらのファイルを読み込み, 各試行に対してFourier変換を行った後, それらの実部, 虚部ごとに平均値

\[\begin{align} \langle A \rangle = \frac{1}{N_{\rm Try}} \sum_{i=1}^{N_{\rm Try}} A_i \end{align}\]

および標準誤差

\[\begin{align} \delta A = \frac{1}{N_{\rm Try} - 1} \sqrt{\frac{1}{N_{\rm Try}} \sum_{i=1}^{N_{\rm Try}} (A_i - \langle A \rangle)^2} \end{align}\]

を計算し, 平均値と誤差を含んだ単一のファイル zvo_corr_eigen*.datoutput/ ディレクトリに出力する.

7.6. dynamicalr2k ユーティリティの動作について

このユーティリティーは, 次のようにして使う.

$ ${PATH}/dynamicalr2k ${NAMELIST} ${GEOMETRY}

ここで, ${PATH}dynamicalr2k ユーティリティのバイナリのあるディレクトリのパス, ${NAMELIST}は HPhi++/mVMC の NameList インプットファイル名, ${GEOMETRY}は サイトの位置と軌道のインデックス, k 点 ファイルへのパスである. この場合に HPhi++output/ ディレクトリに出力するサイト表示の動的相関関数は, zvo_DynamicalGreen.dat である. greenr2k ユーティリティーは, これらを読み込みFourier変換を行った後, 単一のファイル zvo_corr.datoutput/ ディレクトリに出力する.